博麗霊夢の巫女としての特異性

師走になり、各神社が巫女のアルバイトの募集を始めている。
現在でこそ巫女の仕事の主は神社の雑用であり、アルバイトではない本職巫女の仕事も神職者を手伝う程度に留まっている。

しかし本来の巫女の仕事とはそうではなかったはずだ。巫女にはミコ、カンナギ、イタコ等様々な読み仮名が当てられるが、その役割の根源は最古の巫女と言われる邪馬台国卑弥呼がそうであったように、自身に神を降ろし、その神託を得るという物であったはずだ。

参考程度に広辞苑第六版では
【巫女・神子】
「神に仕えて神楽・祈祷を行い、または神意を伺って神託を告げる者。未婚の少女が多い。」
とある。

これは東方projectでも基本的に同じである(巫女が得る物は神の御告げではなくその神力であるが…)。

そして博麗霊夢が巫女として特異であるのは、「神霊の依代となる程度の能力」を持つ綿月依姫と同じく、修行次第でありとあらゆる神・神霊の神力を得る事ができる点である。

本来、巫女は仕えている神社に祀られている神を降ろすのが普通であるし、その神以外の力は行使できないはずだ。

実際東風谷早苗は守矢神社に祀られている八坂神奈子(神霊)と洩矢諏訪子(神)の力を使ってはいる(大奇跡「八坂の神風」・非想天則の4C,6C等々)が、それ以外の力は使っていない。使えないとするのは早計かもしれないが、儚月抄であらゆる神を使役できるのは霊夢と依姫のみ、という描写があるのでその可能性は高いだろう(儚月抄時点で早苗は幻想入りしている)。

この事から博麗神社に祀られている神は単純な神や神霊であるはずはないだろう。
幻想郷自体、龍神様等色々説はあるが個人的には博麗神社は神を祀っておらず、神社とは名ばかりであるという考察を推したい。
この考え方だと、風神録以降続き、心綺楼で一つの転換を迎えるであろう東方の"宗教編"にも絡めて考え易いからだ。

…冷静に考えてそうじゃなきゃとっくに死んでると思います、神社の神様。



この話の補完は後々書いていきたいと思います。