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最近漢文書き下し形式の文体、つまり近代文語文を読む事が多くなってきた。何故か学校の授業では明治・大正期の評論や小説を扱う事が多い。むしろ高校に入ってからそれ以外に何か読んだ記憶が無い。▼一見すると"古典調"の、現代人が見るとうえっとなる様な文章だが、かな文字古典と違い、漢文形というのは全く単純明快なものである。論理の比較や展開の仕方等、現代の評論文と比べても全く読み易く、文章の内容が驚く程すんなり入ってくる。古典文法等というものは殆ど必要ない。時代劇のセリフ様なものである。▼それもそのはず、漢文というのは、中国の影響を受けたにしろ、あくまでも一つの「日本語」としての形態なのだ。「漢文はただの古代中国語だからそういうものとして勉強するべきだ」と言う人を見るとかなり違和感を感じる。確かに教科書に載っている漢文、孟子論語(本当に載っているのかは知らないが)は古代中国語である。しかし、漢文が日本に伝わってから1000年以上もの間、日本では漢文体の文章が主流であったあのは言うまでもない。要するに、漢文は国語なのだ。