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日本固有の宗教は神道である、と良く言われるが、果たして本当に神道をただの宗教と見なして良いのだろうか?▼世界三大宗教といえばキリスト教イスラーム、仏教である。人口比率的にはヒンデュー教も入るだろう。当然キリスト教イスラーム教の根源はユダヤ教であるが、これらの宗教の共通点は衆生の救済ということにあるのではないだろうか(ユダヤ教ユダヤ人のみだが)。そのため、これらの宗教は熱狂的な膨張力も持っているのである。現代の世界で三大宗教として認識されているのは、その膨張力が中性世界で力を奮ったお蔭だろう。一方神道は民衆の救済を意図したものではないし(災害を鎮めるという意味では救済という事になるが、それは全くこれとはかけ離れた意味合いである)、また熱狂的膨張力を持っている訳でもないのは周知の事実だ。宗教ではない、とは言い過ぎかもしれないが、少なくとも"religion"ではないのではないだろうか。▼では神道とは何であるか?自分はあくまでも「文化」であると思う。宗教と文化は確かに切っても切り離せない関係ではあるが、神道というものを宗教側に置くには、その成立・特徴を踏まえた上で、疑問を持たざるを得ない。