「青天の霹靂」「out of the blue」

「青天の霹靂」ということわざがある。霹靂とは雷鳴のことで、青空から急に雷鳴が轟く、つまり「思いがけない」という意味になる。その語源は宋代の詩人である陸游の詩『九月四日鶏未だに鳴かず起きて作る』にあるという。▼一方英語にも「out of the blue」というイディオムがある。直訳すると「青の外から」であるが、意味は青天の霹靂と同じく「思いがけない」である。こちらの語源は、1800年代のイギリスの歴史家であるThomas Carlyleが『French Revolution』という著作で使用した「a bolt from(=out of) the sky」という言葉だとされている。▼時代的には「out of the blue」の方が後だが、Carlyleは青天の霹靂を参考にしたわけではないと言われている。中々面白い一致である。文化や民族が違えど、人間が比喩に使う自然物は奇妙に一致するものらしい。