フラッシュモブ

NHKクローズアップ現代で「フラッシュモブ」の特集を見る。フラッシュモブとは事前の告知を通して公共の場に不特定多数の人間が集合し、突如として同じ行動を取り始める、というものだ。動画を見ていると、成程、確かに面白い。何か男子校の様なノリの良さを感じさせる物がある。だが、特集の途中で「権力を持つ訳ではない、不特定多数の人間が集まって何か大きい事をしたい」という青年が登場した。これはどうであろうか。▼そもそもこのフラッシュモブが流行する理由には、単に「面白いから」の他にもう一つ大きな理由があるはずだ。それは「責任が伴わないから」である。不特定多数の中にいれば、特異な行動をしても、何か重大な問題が起こっても、自分に責任が降りかかる事はない。正に"モブ"つまり、"ノンプレイヤーキャラクター"である。それでいて面白いのだから人々が興味を持つのは当然だ。しかし、「大きな事」をするのに誰にも責任が伴わないはずは、全く無いのだ。可能な範囲は、精々イタズラが関の山だ。▼「自由」には必ず「責任」が伴うのだ。「自由」とは、自分の行動には自分で責任を持つ、その代償として得られるものなのだ。自由と責任は表裏一体である。"モブ"という存在には自由など欠片も存在しない。自由の無い者に大事が務まるはずはない。そして、この「自由とは責任の裏返しである」という事実は、残念ながら余り認知されておらず、また理解され難いものなのだ。