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近年になって話題になり始めた日本の改善するべきと言われる問題の一つに、新卒採用絶対主義というものがある。大学出たての新卒者ばかりを新規雇用し、転職者や諸々の理由で一年目就職しなかった人達は圧倒的に不利になってしまうのが良くないという話である。▼確かにこう聞くと重大な問題の様に思えるが、実際良く考えてみると、新卒絶対主義をとりやめた所で、雇用問題の根本的解決にはならないという事が分かるだろう。にも関わらず、それをやめるべきだ!と声高に主張する人がいるのは、単に「アメリがそうだから」という理由であるとも考えられる。要するに、戦後から現在までの間に培われた日本のアメリカに対するコンプレックスというものは、盲目的にアメリカを理想として掲げてしまうところにまで成長しているのだ。▼昨日の文系・理系の区分の話にしてもそうだが、「アメリカやヨーロッパがそうだから」という理由だけで「日本はダメだ」と決めつけてしまう様な事は、かなり多いのではないだろうか。文理区分や新卒絶対主義にはデメリットもあるが、メリットが皆無な訳ではないはずである。欧米に対する盲目的な期待は明らかに危険だと言わざるを得ない。雇用問題はどこの国でも起きているのだし、そもそも日本文化には日本文化の良さがあるのだ。