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我が校には"強歩大会"という独特な行事がある。
簡単に言えばマラソン大会なのだが、あくまで"歩を強める"大会であるので走る人間はそう多くない。2月の寒空の下、約20kmのルートを延々歩く訳だ。

その特徴はやはり生徒が主体となってありとあらゆる事を決める事だろうか。
他の高校の「生徒が主体となって」等という生半可な物ではない。開催地の決定、ルートの決定、予算の決定、出席の決定、賞品の調達・管理、各公園管理事務所や区役所・市役所、警察署との対応まで全てが生徒任せであり、教職員は一切介入しない。
教師の役目は単純、判子と車の運転だけである。

自分も去年は開催地やルートの下見に奔走し、日が暮れるまで役所を駆け回ったものだ。役所は平日しか営業していないので学校が終わったら即向かうのだが、去年は開催地が離れていた分、どんなに急いでも終了時刻の17:00に間に合わない事が多々あって、頭を抱えた事を良く覚えている。

こういった経験が後に自分の血肉となるのだ、というと妙に軽く聞こえて微妙な所だが、良い経験であったのは間違いない。

今年の開催地は去年とは打って変わって都心部であるらしい。後輩達の手腕に期待がかかる。